他にもあるしびれの疾患
しびれの症状が、精神障害疾患から引き起こされることをご存知でしょうか。
(「どうして、しびれが精神障害疾患と関係あるの?」と思うかもしれません。)
しかし、心の病は内科的疾患と同じくらい身体に悪影響をもたらしているのです。ここでは、2つの「しびれと精神障害疾患」について触れてみたいと思います。
○パニック障害…
最近、多くの芸能人がカミングアウトをしてくれたことによって、パニック障害は身近な疾患として捉えられるようになってきました。
実際、パニック障害は2~3%の割合で発症するといわれ、老若男女、誰が発症しても何ら不思議のない疾患なのです。
パニック障害はある日突然、激しいめまいやしびれ・呼吸困難・吐き気・息苦しさ等々を発症します。その症状の原因には、精神的+肉体的…双方が関与していると考えられています。
そしてパニック障害が、何故深刻な症状を引き起こすのかといえば…「発作が起こった時、身体的症状が発症したらどうしよう。」と思い込む不安感によって、精神的に追い込まれてしまうからです。
ただしパニック障害の場合、早期に発見されれば、そうした連鎖反応を断ち切りやすい=比較的、治り易い疾患とも考えられています。
○過呼吸症候群…
ある日突然、呼吸が苦しくなる→症状によっては、手足や口にしびれた感覚に襲われる→酷くなると、指が痙攣した状態になることも(=テタニー症状)…
過呼吸症候群は、「激しい過呼吸+無呼吸」が交互に繰り返し起こることによって、息苦しくなる症状をいいます。
(過呼吸になった人が、ビニール袋・紙袋を口に当て呼吸すると落ち着きます。)
ただし過呼吸症候群の場合、「死に至らしめる」「後遺症を残す」といったことはありません。発作は長ければ数十分続くこともありますが、必ず時間とともに軽快していきます。
過呼吸症候群もパニック障害と同じように一度発症してしまうと、自分自身で発作をコントロールすることができません。そしてその発作はある出来事が引き金となり、精神的不安感を生じることによって発症してしまうのです(=それはある意味、強いストレスといえます)。
このようにしびれの症状は、怪我や事故によってのみ発症するわけではないのです。
しびれの症状=精神的+心理的圧迫が、自分自身を自然に悪循環へ向かわせて発症する症状でもあるのです。そしてそうした精神障害疾患は、誰にでも発症しうる可能性があることを認識しなければならないのです。